「おかやまIT経営力大賞」実行委員会

平成30年度「おかやまIT経営力大賞」記念フォーラム

平成30年11月22日(木)、山陽新聞社 さん太ホールにて、「岡山情報化セミナー」の第2部として「おかやまIT経営力大賞」記念フォーラムを執り行ない、表彰式では受賞者に表彰楯が贈られました。


記念フォーラム

表彰式

受賞者に、「おかやまIT経営力大賞」実行委員会副会長 松田 久より表彰楯が授与されました。


表彰式


表彰式 表彰式

審査講評

審査講評

審査委員長の松田 陽一より、
「応募内容のレベルが高く、審査員一同評価に苦慮した点。また、個々の応募企業様についての審査講評」を頂きました。

講演

演台:『IoT事例から見る導入効果と様々な課題』
講師:株式会社 アイ・コネクト 代表取締役 大久保 賢二氏
(NPO) ITコーデイネータ協会 IoT研究員、(NPO) ITコーデイネータ茨城 副理事長、茨城県 サービス産業分科会 プロジェクトマネージャー、茨城県 IoT等自動化技術導入促進事業 専門家
【講師略歴】
1987年 茨城日立情報サービス(現 日立産業制御ソリューションズ)入社、
    製造業向けの生産管理システム導入に従事
2003年 中小企業様のコンサルティング活動開始、
    経営戦略策定、生産管理業務改善、IT化支援に従事
2016年 独立開業し企業顧問、IT・IoT事業活動中
【講演要旨】

講演 講演 講演

IoTも認知啓蒙から実際の導入検討、導入効果の評価段階に移ってきました。
本講演ではIoT導入効果である「見える化」「管理・改善」「付加価値創出」の事例を紹介し、それぞれのポイントをご説明頂きました。
また地域として中小企業のIoT導入には欠かせない「IoTコンサルタント人員」に関してもご説明頂きました。

受賞者紹介

 大賞

◆山陽精機株式会社 真庭市
業種:生産用機械部品製造・金型製作

山陽精機株式会社 山陽精機株式会社 山陽精機株式会社

【取組内容のポイント】

IoTを活用した会社経営を実践している。
工場内に温度センサー・電力センサーを多数設置し工場内にグラフ化したデータを表示しPCやPadなどでも可視化し運用して
@ 24時間365日28℃±1℃を維持
A 夜間・休日を主に稼動させ長時間無人運転を実施
B 加工精度を±0.01_以内を実現し金型の無修正組み立てを実施
C 電力量の大幅な削減
等を達成目標として確実に実行し経営の原資としている。

 優秀賞(五十音順)

◆協和ファインテック株式会社 岡山市東区
業種:医療用機械器具等製造

協和ファインテック株式会社 協和ファインテック株式会社 協和ファインテック株式会社

【取組内容のポイント】

当社は、3つの形態の違う事業を持っている。1)自社ブランドのギヤポンプ設計製造(個別受注)、2)産業機械の設計製造(個別受注)、 3)医療機器の機械設計・製造(量産受注)である。
このため、従来の生産管理システムでは、以下の様な問題点が発生した。
・総務:ソフトウェア間のデータ移行ができず、手入力している。
・原価集計:総務が資料出力しないと、他部署は見えない。工数入力はまとめて行うため、時差がある。
・量産体制:在庫管理、発注点管理がEXCELあり手入力では作業者の負荷が高い。
そこで現在の事業形態にあった生産管理システムの検討行いほぼノンカスタマイズで導入、問題点を解決し成果を上げている。
この3年間で売上が1.5倍となり順調に推移している。

◆塩田工業株式会社 浅口郡里庄町
業種:機械修理業

塩田工業株式会社 塩田工業株式会社 塩田工業株式会社

【取組内容のポイント】

工作機械のメンテナンスとNC(コンピュータ)の更新等を手掛けている。
機械修理・電気修理の両方を行うことのできる国内有数の会社である。
改善提案できる社風をつくり、自社システム開発要員により着実にIT経営を推進している。「仕組みがない」「手作業では限界」「意識が低い」等の課題にひとつひとつ目標を設定し、IT化と意識改革を行ってきた。
特に、リスク管理(データ保護・セキュリティ対策)を最優先させたことで、安定的な稼働を実現。担当者は情報処理安全確保支援士として、最新動向への対策を継続している。

【実践内容】

・基幹システムを自社開発し、業務効率化・見える化を推進。管理用の様々な帳票は、自動的に作成される。
・蓄積されるデータの精度を上げ、最大限活用できるような仕組みを構築している。
・社員の健康を守るための「健活企業」の取組みにもITを活用。作業効率をあげるため、執務環境の整備も行った。
・ホームページ制作・検索エンジン最適化も社内で行い、全国からの集客に成功している。
・関係会社のパソコンの困り事をサポートするなど、地域貢献のための活動を行っている。
現場技術力の向上との相乗効果で、この4年間で売上が1.3倍、利益率が2倍となり順調に推移している。

◆株式会社本山精耕園 苫田郡鏡野町
業種:米作農家

株式会社本山精耕園 株式会社本山精耕園 株式会社本山精耕園

【取組内容のポイント】

地域の中で一定規模の経営体が農地を引き受け、経営規模を拡大している。
このような状況下で、農地の見回り作業等の省力化や、施肥等の作業効率向上による生産性向上が不可欠となっているが、当社では以下の様にITを活用した農業経営を行っている。

【省力化】

田植え1ヵ月後からリモートセンシング用ドローンを飛行させ、データの取得を開始した。目に見えない波長の光(緑、赤、レッドエッジ、近赤外線)などを撮影できる特殊なカメラをドローンに装着し、農地を撮影することで、植物の生育状況(NDVI:植生指標)を把握することができる。両備システムズと共にデータを分析し、分析結果を確認している。

【コスト削減】

分析システムでリモートセンシングの結果を確認し、粉砕カキ殻散布等についてはファームスカイテクノロジーズの監修のもと、生育に問題がある部分のみに施肥を行っている。

【効率化】

定期的にリモートセンシングを実施することで農作物の成熟度を把握する。その過程で収穫適期の予測ができるようになり、効率的な収穫計画を立てることが可能となっている。
今後は、さらに「攻めのIT農業経営」を進め、安全・安心な米作り、eco農業を目指したい。

 チャレンジ特別賞(五十音順)

◆Clover ipse株式会社 岡山市北区
業種:美容院

Clover ipse株式会社 Clover ipse株式会社

【取組内容のポイント】

「トータルプロデュース 美容院」を目標に、長年蓄積したノウハウのシステム化をAIを活用して行っている。
作業は診断カメラの前に立ち1分程度で終了。全身の骨格、顔のパーツの配置などからAIが客観的な判断結果を導き出し、アドバイスシートが出てくるそれに基づき似合うテイスザイン、色などを伝え、”なりたい自分のイメージ”に向けアドバイスする美容師らのサポートツールとして活用する。現在は、(一社)スクールオブ美ジョニストを立ち上げ、今回のシステムを活用してアドバイス出来る人材育成を手掛けている。
サロンにて美容師以外の受付などのスタッフがアドバイスをすることで売り上げをつくることができるように AI診断カウンセリングをメニュー化している。
最近のAI美容診断イベント、販売実績として、
・岡山高島屋イベント2日間(180名)集客 (途中希望者多数にて20名お断りした)
・いよてつ高島イベント2日間(170名)集客 (人数制限予約制にて30名お断りした)
と盛況であった。AI診断システムの販売については広島の美容室、岡山のエステサロンの2社の状況である。
今後は、自社でのDNA分析データを元に外見だけではなく、内面の分析をプラスしてボディーケアーや食事の管理体質改善などもできるようにしていき、性格診断の要素も加え、美容の楽しさを伝えていきたい。

◆有限会社中山鉄工所 倉敷市児島
業種:金属加工業(金型・機械部品製造)

有限会社中山鉄工所 有限会社中山鉄工所

【取組内容のポイント】

金型製作は機械化、NC化が進んだとはいえ、経験とカンに頼る部分がまだまだ多いのが現状である。そういったノウハウをいかにうまく次の世代に技術の継承をしていくかが大きな課題となってきている。また、コストダウンの要求が厳しくなっていく中、少子化、労働人口の減少も顕著で、求人もかなり厳しくなってきている。その対応策の一つとして、昨今のAI技術の進歩を利用して、今までは人が介在するしかなかった作業の効率化を実現するために、無人化、ロボット化を推進して行く事が課題である。
当社では、CEC製スマートグラスを用いる事により、ベテラン職人の作業の様子を、作業者視点で記録し、データベースに残すことにより、次世代へ引き継げるように取り組んでいる。
また、その作業結果をAIを用いた判定装置(スマホベース)により、現場でベテラン社員の代わり判定できるように取り組んでいる。
更に、IoT装置を機械に組み込むことにより、リアルタイムで機械の状況を把握できるようにし、機械の空き状態をできるだけ少なくするよう取り組んでいる。
売上は目立って増大していないが、生産効率は向上し、着実に利益向上を図れる体制が構築できつつあると考えている。

 地域貢献賞

◆株式会社エイト日本技術開発 岡山市北区
業種:サービス業

株式会社エイト日本技術開発 株式会社エイト日本技術開発

【取組内容のポイント】

海域・ダム・湖沼などで、水質、流向・流速、海底地形を一度に3次元で自動計測できる計器(水中ロボットAUV等)を導入した。コンサルタント業界では当社のみが保有する。豊富なデータ数からより正確な環境の把握と対策の立案が可能で差別化技術と考えている。
※水中ロボット(AUV(自律型無人潜水機))
サイドスキャンソナー、水質計、ADCP(ドップラー式流速計)、カメラを搭載、予め設定したコース・深度を自走させるだけで、3次元データや水中画像を取得できる。
(導入にあたって)
社長:先進機器導入決断と主要機関等への説明(導入費約1億)
部署長:自ら関係機関に出向き、パンフレット、動画にて性能、利用方法を説明
研究開発:実業務で直接作業するとともに部下の育成を行っている
(成 果)
現時点、試験的運用のため利益は未定。ただし、現地での労務費は既存の方法に比べ、半額以下になっている。併せて、水中作業が無人となったため安全面は飛躍的に向上している。
岡山県内、三重県内、山口県内、広島県内で採用されている。
今後とも業界としてIT対応投資に力を入れ、労働力不足の中、作業効率向上・顧客サービス向上を目指し地域に貢献して行きたい。

特別賞(五十音順)

 受賞者のIT化を高度な技術力をもって支援したベンダー等に贈られます。

◆株式会社シーイーシー 名古屋市中区

株式会社シーイーシー

チャレンジ特別賞を受賞された(有)中山鉄工所のIT化を支援されました。

◆セリオ株式会社 岡山市中区

セリオ株式会社

大賞を受賞された山陽精機(株)のIT化を支援されました。

◆株式会社ディースピリット 愛媛県松山市

株式会社ディースピリット

チャレンジ特別賞を受賞されたClover ipse(株)のIT化を支援されました。

◆株式会社テクノア 大阪支店 大阪市北区

株式会社テクノア

優秀賞を受賞された協和ファインテック(株)のIT化を支援されました。

◆ファーム スカイ テクノロジーズ株式会社 苫田郡鏡野町

ヤマト広告株式会社

優秀賞を受賞された(株)本山精耕園のIT化をドローン活用技術をもって支援されました。

◆株式会社両備システムズ 岡山市南区

株式会社両備システムズ

優秀賞を受賞された(株)本山精耕園のIT化を支援されました。

 来場お礼

今回、第11回目となる「おかやまIT経営力大賞」記念フォーラムに、大勢の方々のご参加頂きまして、ありがとうございました。
主催者として、こらからも地域情報化の発展に寄与して参ります。
今後とも、「おかやまIT経営力大賞」へのご支援、ご協力を宜しくお願い致します。


専門学校ビーマックス ブライダル・ホテル学科の皆さん

今回受付と会場案内をお手伝い頂いた
専門学校ビーマックス ブライダル・ホテル学科の皆さん