「おかやまIT経営力大賞」実行委員会

平成28年度「攻めのIT経営・おかやまIT経営力大賞」記念フォーラム

平成28年11月24日(木)、山陽新聞社 さん太ホールにて、「岡山情報化セミナー」の第2部として「攻めのIT経営・おかやまIT経営力大賞」記念フォーラムを執り行ない、表彰式では受賞者に表彰楯が贈られました。


記念フォーラム 記念フォーラム

表彰式

受賞者に、「おかやまIT経営力大賞」実行委員会副会長で、(一社)システムエンジニアリング岡山会長の前坂匡紀より表彰楯が授与されました。


表彰式 表彰式 表彰式

審査委員長講評

審査委員長の大西壮一 岡山理科大学名誉教授より、 「今回の特徴として、様々な業種でIT化が進展していると感じました。また、地域間の格差も減少し今年度の応募者は県南・県中央・県北と分散されておりました。また、技術的・経営的にもバランスの取れた応募者が多く、各応募者のIT経営実践レベルも年々向上しております。この様な中での審査となり、評価も均衡したものとなりました。」との審査講評を頂きました。


基調講演

演台:『ICT利活用による経営課題解決に向けて』
講師:遠赤青汁株式会社  営業企画部インターネット担当・CIO 渡部 一恵氏
経済産業省主催 2015年「攻めのIT経営中小企業百選」選定企業
本社:愛媛県東温市則之内甲2225番地1 業種:農業から食品製造までの一貫事業
http://www.enseki.com/
【講師略歴】
2002年 遠赤青汁株式会社 営業企画部入社

【講演要旨】

 表彰式 表彰式

遠赤青汁は、青汁の素材ケールを自社で栽培・加工・販売までを一貫して行っておられます。近年、青汁市場は競合激化、低価格化が進み、既存の青汁顧客への拡販停滞による売上減少という大きな問題に直面しました。ICTを利活用し、売上増大、海外販売開拓といった様々な経営課題に対する取り組みについてご講演いただきました。

受賞者紹介

 大賞

◆有限会社まるみ麹本店  業種:みそ製造業 総社市

有限会社まるみ麹本店 有限会社まるみ麹本店 有限会社まるみ麹本店

【取組内容のポイント】

10年前より工場合理化を推進し製麹温度管理の自動化・メ―ル通報システムを運用、5年前には夜間監視システム導入と工場情報化を推進している。又、営業面ではCTI(電話やFAXをコンピュータシステムの一部として統合)を導入し購買履歴等を確認しながら顧客対応・販売分析を行っている。3年前にはホームページをリニューアルし製品の魅力が伝わる様に工夫、併せてSNSを活用してお客様とのつながりを広げている。地域だけの販売活動でなくWebショッピング活用・首都圏への拡販などを行っており、経営者のリーダーシップ・人材育成によりこの5年間で売上が25%増加・ネット販売が43%増加している。

 優秀賞(五十音順)

◆株式会社英田エンジニアリング  業種:機械製造業(駐車場設備製造運用部門) 美作市

株式会社英田エンジニアリング 株式会社英田エンジニアリング 株式会社英田エンジニアリング

【取組内容のポイント】

今後の売上・利益拡大の為には、先進的なフラップ式車止め装置の開発・販売といったハード面での提供だけでなく、スピーディに駐車場事業地の情報(売上・入庫情報、トラブル情報)を把握し、対応可能なサービスを実現することができるソフト面の提供が必要であると考え、無人駐車場管理システム向け遠隔管理システム「iPark’nコンシェル」を開発し、関連会社であるパークン・パーク鰍ノ導入することとした。遠隔管理システム「iPark’nコンシェル」を導入することで、以下の目標を達成した。
@多角的な分析が可能なグラフ機能及びシステム側から発信する各種アラート機能の導入及び活用。
A精算機からの売上・入庫情報をビッグデータとして扱うことが可能なデータベース化。
Bインターネット環境があればどこでも利用可能なWEBソフト化。
C精算機ステータス情報の自動メール配信機能、並びに精算機や車止め装置への遠隔操作機能により、メンテナス・トラブル対応を迅速にし、顧客満足度を向上させる。
上記の目標達成により2013年実績(導入前)と2015年実績(導入後)を比較すると、経常利益が約2.5倍、利益率が約2.3倍に向上した。

◆株式会社アール・ケア  業種:介護サービス業 玉野市

株式会社アール・ケア 株式会社アール・ケア 株式会社アール・ケア

【取組内容のポイント】

自社専用業務システム(DRC:Direct Restore Dourse)の開発・活用を行う。
DRCは以下の身体機能評価システムで構築されている。
・10メートル歩行・TUG(time up&go)
・FRT(functional reach TEST)
・重心動揺計計測
・巧緻性評価(ペグボード)
・視覚刺激による反応時間検査
・体組成計計測
・姿勢、動画撮影(立位、歩行時)
・握力測定
この項目を1事業所約100名の顧客に3か月に1回実施していた。
デイサービスではこの他にも多くの業務があるため、専用システムの開発を行うこととした。
導入効果として、リハビリテーション特化型デイサービスとしての機能が向上した。
顧客、ケアマネ、地域の方のADL(日常生活動作)や身体機能に対する意識が変わった。
煩雑になっていた業務が整備されスタッフの負担が軽減し、サービス内容に好影響が確認できた。

 チャレンジ特別賞(五十音順)

◆IKOMAロボテック株式会社  業種:機械製造業 津山市

IKOMAロボテック株式会社 IKOMAロボテック株式会社

【取組内容のポイント】

当社では、毎回異なる生産設備を設計、製作しているため、その生産形態に適していると思われる基幹となる生産管理システムを選定した。導入に際しては、ほぼノンカスタマイズで導入し、分析ツールを利用して各部署がほしい情報を集計できるようにした。
このシステムの導入により、発注業務の効率化を図り、短納期化の実現を目標とした。また、個別の集計が容易にできるようになるため、協力会社ごとの比較等を行うことによって、コスト削減を狙った。さらに、発注、受け入れ業務の効率化により、新規協力会社の模索などへの工数シフトを目標としている。導入成果として、売上額は5年でおよそ 1.7倍となっており、生産管理システム導入により、効率アップと納期短縮が可能となり、受注増につながったとものと考えられる。

◆有限会社三協鋲螺  業種:金物卸売業 玉野市

有限会社三協鋲螺 有限会社三協鋲螺

【取組内容のポイント】

弊社ではセット販売がメインであり、その組み合わせはほぼ無限と言う状況です。取扱い製品も現在は50万アイテムを超え、それを組み合わせての販売を考えると市販パッケージでは対応が出来ませんでした。そこで、全国初のセット販売でも在庫管理が出来るシステムを開発導入する事にし、在庫の管理をおこない、無駄な在庫等を削減、更にロット管理も行い、商品のトレーサビリティの向上により商品価値をあげられることを目標とした。
導入効果として
1.売上の増大、利益の確保
2.商品・サービスの付加価値の向上
商品のセット販売の効率化(従業員の対応力増大)と製品のトレーサビリティなどの向上による付加価値の増加で利益幅の拡大が少しずつ起きている。
3.原材料、外注、商品仕入等の変動費の削減
新システムの利用により過去の実績等が容易に判定できるようになり、仕入れ価格の低価格化が可能となり売上自体は伸びてはいないが、利益率の改善が起きている。

◆株式会社スーパーワークス  業種:情報サービス業 岡山市南区

株式会社スーパーワークス 株式会社スーパーワークス

【取組内容のポイント】

建物建築の打ち合わせは多くの企業でまだ2次元の図面と完成予想図を持って行われているのが現状であり、それが当然であったが、建築に関して素人のお施主様にとって、図面から立体をイメージすることは非常に困難である。それを解決する方法としては建物を立体で表現した3Dモデルを使うことが行われており、そのためのソフトとして3DCADソフトがある。3DCADソフトは数多くリリースされているが、いずれも作図やデータの作成・技術習得や高額な費用を建設会社・工務店に強いるものであり、3DCADも3Dモデルを使った打ち合わせも普及しているとは言えない。そこで弊社が建設会社・工務店から預かった図面を元に3Dモデルを製作して、それを独自のクラウドシステムを介して配信することで建設会社・工務店にソフトを購入いただくことなく、3Dモデルを使った打ち合わせができる環境を提供し、それによりお施主様に安心していただき、それが建設会社・工務店の打ち合わせ時間の大幅な短縮につながるというサービスを「ネットモケイ®」と言う名称で本年より展開している。

 地域貢献賞

◆笠岡放送株式会社  業種:CATV業 笠岡市

笠岡放送株式会社 笠岡放送株式会社

【取組内容のポイント】

2008年にテレビのデジタル化によって利用可能になった新サービス「データ放送」を開始しました。これは、テレビに対して、文字を中心とした地域の情報を配信するサービスです。例えば、「休日当番医」「おくやみ」「落とし物」「ピンポイント天気予報」「電子回覧板」「イベントカレンダー」など、地域に特化した情報を配信します。デジタル化によって始まったこのサービスは、テレビを経由して見るサービスでした。しかし、家庭内における情報の閲覧方法の多様化はまたたくまに進化しました。2007年に発売されたApple社のiPhoneを皮切りに、スマートフォンは様々な進化を経て、手軽な個人端末として定着しました。これにより、個人に向けた情報は(テレビ=家庭内)から(スマホ=個人)に向けて情報発信する時代になりました。弊社ではこの環境の変化に対応するべく、また地域情報の発信メディアとしての価値を高めるべく、データ放送をスマホにも展開するアイデアを考え取り組みました。またこの取り組みを行うためには、地域情報の発信者との連携が必須となります。そして、自治会長の方や各学校の先生から直接各地区の住民に向け、リアルタイムに情報をアプリに一斉通知できるといった、地区単位での「電子回覧板」としてご利用頂くなど、地域間でのネットワークの構築も併せて進めながら、放送局レベルでの確実な情報発信を行うべく取り組んでいる。効果として、利用者がテレビとスマホに対して同時に、今まで発信できなかった情報を発信できるようになった。

特別賞(五十音順)

受賞者のIT化を高度な技術力をもって支援したベンダーに贈られます。

◆株式会社オーユーシステム  岡山市北区

株式会社オーユーシステム

チャレンジ特別賞を受賞された有限会社三協鋲螺のIT化を支援されました。

◆コンセプトシナジー株式会社  総社市

コンセプトシナジー株式会社

大賞を受賞された有限会社まるみ麹本店の経営コンサルティングを通じてIT化を支援されました。
(コンセプトシナジー株式会社は所用の為欠席され代理として有限会社まるみ麹本店様が受賞されました。)

◆ジャパンケーブルキャスト株式会社  東京都千代田区

ジャパンケーブルキャスト株式会社

地域貢献賞を受賞された笠岡放送株式会社に放送サービス技術を持ってシステム構築を支援されました。

◆株式会社テクノア大阪支店  大阪市北区

株式会社テクノア大阪支店

チャレンジ特別賞を受賞されたIKOMAロボテック株式会社のIT化を支援されました。

◆ビジネスセンター岡山株式会社  岡山市北区

ビジネスセンター岡山株式会社

優秀賞を受賞された株式会社英田エンジニアリングのIT化を支援されました。

  来場お礼

今回、大勢の方々のご参加ありがとうございました。
主催者として、こらからも地域情報化の発展に寄与して参ります。
今後とも、「攻めのIT経営・おかやまIT経営力大賞」へのご支援、ご協力を宜しくお願い致します。

専門学校ビーマックスの皆さん

今回受付と会場案内をお手伝い頂いた
専門学校ビーマックスの皆さん