■企業紹介 - 林電化工業株式会社
★会社概要
- 企業名:林電化工業株式会社
- 設 立:昭和25年1月23日
- 所在地:岡山県岡山市南区植松553番地の1
- 事業内容:
- マシニングセンタ・旋盤等の精密機械加工
- 単品・小ロットの機械加工部品
- ステライトによる耐摩耗性向上の特殊肉盛溶接
- 図面の無い設備用部品等の修理・改造
- ハルドックスを中心とした耐摩耗鋼板の販売と精密機械加工
■林 泰弘社長のコメント |
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●取り組みの背景 |
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当社は精密機械加工と難削材の加工技術を強みとし、岡山県内のみならず全国のプラントで使用されている特殊溶接肉盛によるシャフトスリーブや、耐摩耗鋼板Hardox(ハルドックス)の精密機械加工による刃物関連部品を中心に、耐摩耗部品を供給しています。機械加工においては、汎用旋盤やフライス盤を駆使した職人技による加工から、CADデータをもとに生成したCAMデータによる複雑かつ精密な機械加工まで、幅広い対応力を有していることが特徴です。 デジタル化への取り組みとして、以前から生産管理システムを導入し、生産計画に基づいた工程管理や原価管理を行っています。また、グループウェア「WaWaOffice」を活用し、社員間でのスケジュール情報やファイル共有も行っています。さらに、コロナ禍においてはリモートワーク環境を整備し、Google Workspaceを導入することで、Google ChatによるコミュニケーションやGoogleドライブを活用した情報共有が可能となり、ある程度のデジタル化が進んでいると思っていました。そんな中、知人であるコンサルタントから(一社)システムエンジニアリング岡山(以下、SEO)より岡山県のIoT伴走支援事業について紹介を受け、もっとデジタル化の可能性を追求したいと考え、比較的気軽な気持ちで取り組むことを決めました。 当社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、単なる設計や製造工程への技術導入にとどまらず、組織としての目標達成や生産性向上も視野に入れた取り組みです。特に、当社では長年にわたり「加工高=売上-(材料費+外注費)」という経営指標をチームマネジメントの基軸とし、社員のモチベーション向上と製造原価コントロールを実現してきました。全社で数字を共有し、社員が一丸となって目標達成を目指す文化が根付いており、数字への意識が非常に高い企業といえます。 |
しかし、この指標を重視した経営にはさまざまな課題があります。生産管理、品質管理、勤怠管理などのデータを月次で集計・分析し経営判断に活用するためには、正確な数字が必要不可欠ですが、従来は膨大な時間を手動集計に費やしており、業務効率の低下要因となっていました。こうした状況から「ITを活用して集計作業を効率化できないか」という課題認識が生まれました。もし月次集計作業を削減できれば、業務効率が飛躍的に向上し、社員の負担軽減にもつながると考えたのです。 この課題に関するITコンサルタントとのディスカッションと情報提供を通じて、データの自動収集や分析ツールの導入によって、月次集計作業をシステム化する手法が見えてきました。これにより、手作業で行っていた集計作業にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があり、当社の業務プロセス全体においてさらなる効率化が期待できると思うようになりました。 |
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●取り組みの苦労話(一番苦労した事など) |
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取組の当初は、現在のデジタル化の状況に大きな問題はないという前提に、クラウド化による災害時のBCP対策、WEBによる見積受付、生産管理データの集計作業の効率化、会計関連伝票のペーパーレス化などを課題として設定し、その中から、まずはテーマ選定から取り組みを開始しました。最終的にはSEOのITコンサルタントとの話し合いを経て、毎月の経営会議用に行う加工高の集計作業の効率化をテーマに設定することとなりました。 この決定にあたっては、実務担当者の意見を聴くことで現場の困りごとやその原因が明確になりました。また、前任担当者からの引き継ぎをした際に、手作業による集計の煩雑さや非効率性、転記ミスの発生、組織変更時のフォーマット修正の手間といった具体的な課題が挙げられており、その意見を基に進め方を見出すことができました。この経験から、社員の声を聴くことの重要性を改めて実感しました。 現場の社員は普段の業務に誇りを持ち、役割を懸命に果たそうと努力しており、負担の大きい集計作業にも愚痴一つこぼさずに取り組んでいることが解りました。これは、社員が自分の担当領域の問題を「自分ごと」として捉えている証拠であり、環境が改善される可能性があると感じた際には積極的に意見を出すということがわかりました。彼らの本音に耳を傾けることで、より実践的な課題が見えてきます。社員の意見を聴き、業務の実態を正しく理解することは、単なる問題解決の糸口にとどまらず、社員自らが課題解決に積極的に取り組む姿勢を引き出す重要な要素にもなりました。 テーマが決まった後は担当者が責任を持って推進しました。ある程度のゴール設定と方向性を示しつつも実務担当者に任せることで、初めは「丸投げ」に見えることがあっても、信頼して任せた結果、担当者は自分の責任として意欲的に取り組み、スキルアップにもつながりました。この姿勢が組織内に改善意識を浸透させたと感じています。 今回の取り組みでは、SEOのITコンサルタントから提案されたBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの導入が非常に効果的でした。当初はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やBIなどの新しい技術に関する知識が全くなく、それらの導入で本当に業務効率化が実現できるのか不安もありました。しかし、丁寧な説明と導入事例の提示を受けたことで、導入に踏み切ることができました。 また、RPAやBIの導入には費用がかかるものの、少ないコストで導入できる提案を受けたことも大きなポイントでした。さらに、岡山市の補助金を活用することで導入費用を抑えられたことが、効率化への取り組みを後押ししました。外部リソースを活用して費用対効果を高めることが、企業のDX化を加速させるために非常に有効であると感じました。 新しい技術を思い切って導入することで、従来の業務を大きく変革でき、結果として業務の省力化に成功したと考えています。 |
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●施策の推進プロセス |
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中小企業がDXを推進するためには、課題の明確化と目標設定をした上で進めることが成功への鍵となると感じました。以下は、ITコンサルティングをどのように進めていったか、そして、それに関連しどのようなことが起こったかを書きました。 1. 綿密なヒアリングによる課題の定義 最初のステップとして、経営者とDXを推進する担当者が課題の仮説を立て、その上で、現場の声を聴き、課題を明確にしました。とにかく、経営指標の集計に時間がかかり、時にデータの集計ミスが起こることも発生していました。このことについて、社内の業務に携わる社員と話し合いながら、実際に何が起こっているのか、その要因を洗い出しました。この段階では、ITツールの導入ではなく、根本的な課題をしっかりと把握することの重要性を感じました。ヒアリングをしたからこそ、具体的な問題や改善したいポイントが明確になり、ITツールの方向性やITベンダーの選択ができ、その後のプロジェクトの方向性が定まったと思います。 2. ITベンダーの紹介と評価 課題が定義できた後は、最適なITツールの選択とその実行支援ができるITベンダーの選定を行いました。SEOが会員企業の中から、解決すべき課題に最も適したベンダー数社を提案してくれ、その中から選ぶことができました。今回、支援を受けた㈱システムプロダクトは、マイクロソフトのPower BIとPower Auto Mateの組み合わせた提案を頂きました。更には、まずBIの解説と作成事例について情報提供があり、まず意思決定ができるようにサンプル制作、更には、社内で独自に運用できるように自走化のためのDX推進担当者の教育の提案を頂き、課題解決プランに沿って進めていただきました。信頼できるベンダーとの出会いが、自社の将来にとって非常に重要なものだと感じました。 3.スキルと業界知識に基づくSEの選択 今回紹介されたSEは、そのスキルが非常に高かったため、スムーズに次のステップに進むことができました。製造業の仕組みや生産管理システムについて非常に詳しく、同時に、システム構築のみならず、ITツールに関する教育のノウハウがありました。そのため、ディスカッションの時間が少なくても、どのようにシステムを導入し、業務を改善していくべきかが理解できました。製造業の生産管理や原価管理に関する深い知識を持っていたことが、大きなポイントです。SEが何をすべきかをしっかり理解しているため、余分な説明は不要で、必要な作業が明確に示されて非常に助かりました。 4. ITプロジェクトの目標設定とまとめ ITベンダーが提案したITツールと教育が自社の経営に非常に有効だと認識し、目標設定を行いました。システム導入の目的は、対象業務の効率化を図ることですが、DXを推進する人材を育成することも最も重要なポイントとして取り組みました。ITツールの導入後、BIで得られた情報を活用し、どのように生産性向上を実現するかを社員協議するための工場長ミーティングを計画しました。このことにより、ITツール導入による効果を最大に生かせるよう、DX推進の目標と計画を社員全員で共有して進めることとしました。 |
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●今回のDX推進の成果 |
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当社の成果は、BIとRPAの導入により、製造業における生産性指標の集計の効率化を実現し、1日4時間の作業が3日がかりで12時間かかっていたものを、ワンタッチ、10分で集計可能となったことです。具体的には、データ集計作業の自動化、短サイクル集計の導入、そして、担当者の役割の変化など、ITツールを活用したことで大きな変革を実現しました。 1. 重要指標の集計作業の効率化と自動化 毎月行っていた12時間の集計作業が、RPAとBIの導入によりフルオートでワンタッチ10分処理されるようになりました。週末にバッチ処理を行い、週明けには集計された情報として結果が表示される仕組みが整いました。タイマーによって自動で処理されるため、集計作業の工数が大幅に削減され、担当者の負担が軽減されました。 その結果、月次の実績集計が週1回の高メッシュ集計へと変化し、さらに先の受注情報を基にした加工高予測が瞬時に把握できるようになりました。これにより、経営会議の中でも、月1回の集計結果の分析に加えて、2か月先の受注可能予測できるようになり、経営者や営業・製造の管理職が、より迅速に活動計画の修正等の意思決定が行えるようになりました。 2. クラウド上でのデータ処理・共有と可視化 クラウド上でデータ処理が行われるため、3つの工場にある事務所の大型ディスプレイでリアルタイムにデータが表示され、誰でも瞬時に確認できるようになりました。このシステムにより、データの可視化が進み、業績評価の透明性と即時性が大きく向上しました。各責任者は従来の現場の業務に加えて、データ整理や分析に対する意識が高まり、丁寧な作業を意識するようになり品質が向上しました。 3. DX推進担当者の役割の進化 システム導入により、データ集計担当者の業務負担が大幅に軽減され、他の新たな業務に取り組むことができるようになりました。もともとは集計作業が中心でしたが、現在ではデータ整理や分析、更には、新たなシステム構築が主な役割になり、業務の幅が広がりました。特にデータ分析を行うことで、業務に対する理解が深まり、会社全体の効率化に貢献しています。 4. Power BIとPower Automateの活用 導入されたシステムには、Power BI と Power Automate が利用されており、これらのツールを駆使して業務の効率化を実現しました。まず、試作品はシステムプロダクトが作成し、その後、各3回×2アイテムの社内研修を通じて、現場のニーズに合ったBI(ビジネスインテリジェンス)を作成するためのスキルを習得することができました。 Power BIによるデータ分析と、Power Automateによるワークフローの自動化を組み合わせ、業務の迅速化と効率化が図られました。セミナーを通じて、新たなシステム構築や機能追加への理解が深まり、今後は、現場の要望に即したカスタマイズを進める予定です。 |
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●将来像(今後の取り組み・ステップアップ) |
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今回の取り組みで最も成長したのは、DX推進担当者であり、データの集計・分析のスキルが飛躍的に向上したことが、非常に重要な成果となりました。これにより、社内でのDXの推進が可能となり、DXの推進により、業務効率化の自走化が進みました。今後は営業部門にも同様のデジタル化の取り組みを進め、より効果的に営業活動を支援していく計画です。 1. データ分析担当者の育成と社内対応の向上 データ分析を担う担当者が一人で対応できるようになったことが、会社全体のDX化を進める上で非常に重要な成果となりました。以前は経営者として個別に指導していたものの、「これ作っておいて」とお願いするだけで済むようになり、業務がスムーズに進行するようになりつつあります。この変化は、様々な業務の負担を軽減するとともに、社内での他の社員のデジタルスキルの育成にもつなげていきます。 2.営業部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)への挑戦 製造部門では比較的簡単に数字の見える化が進んだものの、営業部門はその取り組みが難しいと感じています。営業は「売る」ことが主な仕事であるため、そのプロセスと結果についての数字をどう活用していくかを検討する必要があります。日報情報などを通じて営業担当者が自身の業務の状態を正確に把握でき、売上向上につなげることが求められます。数字を見て何をすべきか、どこに時間を割くべきかが明確になるよう、営業を科学し、データに基づく営業管理を行います。 3. BI(ビジネスインテリジェンス)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用 営業部門でも、BIとRPAを活用することで、データをリアルタイムで把握し、自動化することが可能です。これにより、担当者が解ってしまえば、外部リソースを活用し、業務を効率化することができます。データの活用方法を理解することにより、営業部門でも同じように業務改善を進めていきたいと考えています。 4. 製造業務の効率化と改善活動 製造部門でも、集計作業の効率化にとどまらず、効率的な改善活動やピークとオフピークの平準化が可能になります。データを見て次に何をすべきかを考えることに時間を割くことで、さらに生産性の向上が可能となります。これにより、製造業務の効果と効率の向上を果たし、社員の負担軽減を図ります。 5. 数字の見方をさらに教育していく 今後は、社員全体に数字の見方や分析方法を教えることが重要であると考えています。データをただ集めるのではなく、どのように活用するかを理解するということです。数字の見方を理解し、解決策やアクションプランを策定する力をつけることで、業務全体の効率化を図っていきます。 |
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●これからDXに取り組む企業へのアドバイス |
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今回の取り組みの中で、DX推進に必要なポイントを挙げてみました。デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性を認識し、それを実現するためのアプローチを理解することが重要だと思います。 1. DXの重要性を認識する DXによる業務の効率化は、全ての企業にとって必要な事であると思います。年齢によっては、取り組みが難しいと感じるか経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、労働人口が減少する中で、社員が働きやすい環境を作るために、今や必須の取り組みです。業務の効率化を進めることで、企業の生産性向上による労働力不足の軽減と離職防止のために社員満足度の向上を行う必要があります。 2. 外部のIT専門家の力を借りる デジタル技術は非常に速いスピードで進化しているため、自分が知っているものだけでは追随することが難しいと考えられます。進化する技術や新しいアプローチを取り入れるためには外部の力やアドバイスが不可欠です。柔軟に外部の専門家の意見を受け入れる姿勢が、企業の成長には重要です。 3. 外部からの提案を柔軟に受け入れる 外部からの提案の中には、自社にフィットするものが必ずあるので、それを見逃さず、柔軟に取り入れることが大切です。10個提案を受けたうちの1つでも良い提案があれば、それを活かしていくことがポイントです。 4. 忙しくても社員や外部情報源とのコミュニケーションをする たくさん話を聴くのは忙しくて大変ですが、やらなければならないと思います。経営者として忙しく活動することは重要ですが、それ以上に社員や関係者との対話を怠ってはいけないという認識を持つ事が重要です。社員の声を聴き、そのニーズに応えることが企業内の解決すべき課題を見出すポイントとなります。 5.デジタル化に興味や適性を持つ人材育成を発掘して育成する 次世代のリーダーや担当者を育成するためには、DX推進に興味や適性を持つ人材を見つけて育てることが大切です、社員の興味や適性に合ったテーマを見つけ、そのテーマを達成することで楽しさを感じさせることが、モチベーションを高めることになります。社員のDXに関する楽しみややりがいを生み出すことが、組織全体の成長に繋がります。 |
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■安東さん(社員さん)のコメント | |
●取り組みの背景 |
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私が、前任者から月次集計業務を引き継いだ際、最初に感じたのは、手作業による集計の煩雑さと非効率さでした。Excelで作成されたフォーマットを使用していたものの、全て手入力で進める必要があり、どうしても時間がかかりました。また、転記ミスが発生することも少なくなく、組織変更の際にはフォーマットの見直しに多大な手間を要するなど、柔軟性の不足も課題でした。
そのような状況の中、社長がBIツールの導入の提案があり、私もプロジェクトに参加することになりました。正直申し上げると、最初は『BIとは一体何だろう?』という状態で、イメージも全く湧かず、不安な気持ちが強かったです。しかし、省力化が期待できるということで、私も前向きに取り組むことにしました。実際には、開発はシステムプロダクト様が担当してくださったため、私は主に社長の意向を伝えたり、現場の要件を調整する役割に集中することができました。 導入後は非常に大きな変化がありました。手入力ではなく自動でデータが集計されるようになり、月次の集計作業にかかる時間が大幅に短縮されました。また、手作業によるミスも解消され、データの正確性が飛躍的に向上しました。その結果、他の業務に時間を割くことが可能になり、業務全体の効率が高まったと感じています。 当初の不安はなくなり、今ではBIを積極的に活用することに非常に意義を感じています。さらに多くの業務でBIやRPAなどの技術を活用し、全社的な効率化を図っていきたいと考えています。今回の取り組みを通じて、業務がシンプルになり、よりスムーズに進められることを強く実感しました。この経験を他のメンバーにも共有し、さらなる業務改善につなげていきたいと思っています。 |
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●取り組みの苦労話(一番苦労した事など) | |
BI導入の際に苦労したのは、会社が必要とする数字や指標をどう反映させるか、という部分でした。特に、製造のグループ編成が変わるたびに、それをシステムに反映しなければならず、その都度、対応するのがなかなか大変でした。また、プログラムそのものを見たり、修正したりすることはできなかったので、システムプロダクト様の開発担当者とのコミュニケーションにも気を使いました。こちらの意図が正確に伝わるように工夫する必要があり、試行錯誤を重ねたのを覚えています。 私自身が特に意識したのは、工場長やリーダークラスの社員が数字を活用できる環境を整えることでした。たとえば、工場別の加工高を正しく算出するために、データの詳細な情報を反映することで、現場の社員が自分たちで数字を見ながら業務を進められるようにしたかったんです。足りない部分については別の方法で補うことも考えました。たとえば、加工高を上げるために機械稼働率を見て、どの機械をより有効活用するかを判断するような使い方です。数字が見える化されることで、社員がそのデータに基づいて行動できるようになることが理想でした。それから、今までのように前月の単に確定した数字を見るだけではなく、1ヶ月や2ヶ月先を見越した予測ができる形にすることも意識しました。これによって、早めの対応が可能になり、より柔軟な業務運営ができるようになると思いました。 とはいえ、BIダッシュボードを開発することは複雑で、まだ基礎的な知識しかないのが現状です。ダッシュボードの大幅な変更はまだ難しいです。そのため、現在はシステムプロダクトの開発の方にお願いして修正してもらうことが多いですね。ゼロからダッシュボードを作るのは非常に難しいため、まずは簡単なものから試行して徐々に進めているところです。通常業務もあり、まだ十分に取り組めていない部分もありますが、まずは一歩ずつ前進していきたいです。 |
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●施策の推進プロセス |
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岡山市の補助金を活用して、まずプロトタイプを作成しました。一度運用してみたところ、まだ自動化までは達成できていなかったんです。そこで、次のステップとしてRPAを導入し、生産管理システムや勤怠管理システムからのデータ抽出、品質情報の集計等、これまで月次で行っていた人の手によるパソコン作業をワンタッチでできるようにすることで、週次でも負担なく集計できるようにしました。この取り組みで業務の効率化がかなり進んだと感じています。 BIについては年末に3回、RPAに関しては年明けに3日間の研修を受けました。研修内容はとても面白く、自分でBIやRPAを活用できるようになり、会社に役立つ集計データが作成できるようになったのは大きな成果です。業務の幅が広がったことも個人的には非常に楽しいポイントです。 研修について特に印象に残っているのは、講習の進め方がとてもわかりやすく、双方向でやり取りできたことです。わからない点が出たときにその場で質問できたのは助かりました。また、私以外に研修に参加している初心者のメンバーに対しても丁寧に教えてもらえたので、安心して取り組めました。今後もさらにこの技術を活用し、参加メンバーと一緒に業務改善に取り組んでいきたいと考えています。 |
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●成果 |
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集計作業は本当に楽になりました。以前はデータを作成するのに1時間以上かかっていたんですが、今ではボタンひとつで完了します。チェック作業もわずか10分で終わるので、作業効率は格段に向上しました。今ではデータが出るのを待つだけで済むので、その間に他の業務に集中できるようになりました。 さらに、月次の集計が週次に変わったことで、よりタイムリーな情報を提供できるようになり、結果を点検するだけで次の対応が取れるようになったのも大きな進展です。こうした効率化のおかげで、業務全体がスムーズに回るようになったと感じています。 |
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●将来像(今後の取り組み・ステップアップ) |
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経営に直接役立つ集計や分析結果を、必要なタイミングで提供できるようになったことは、大きな成果だと感じています。全社で集計しているデータを分析し、見える化することで、経営陣が迅速かつ正確な意思決定を行うための支えになれたのは嬉しいですね。 この仕組みが整ったことで、会社全体の動きを数字で捉えやすくなり、次に取るべきアクションも明確になってきたと思います。個人的にも、データ分析のスキルが大きく向上しました。新しい知識や技術を吸収し続けながら、もっと会社に貢献できるようにしていきたいという気持ちが強くなりました。 |
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●これからDXに取り組む企業へのアドバイス |
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きっかけは、私たちの社長の先見の明でした。社長が『自分たちの会社をデジタル化しよう』という強い想いを持っていたことが、私たちの大きなスタートになったと思います。また、デジタル化を進める過程で、同じ歩幅で伴走してくれる人の存在がどれだけ重要であるかを実感しました。親身になって私たちの話を聞いてくれ、会社の希望を理解してサポートしてくれる人たちの支援が、この課題解決の鍵となったと思っています。 |
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■課題解決IT支援ベンダーのコメント |
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■システムプロダクト株式会社 URL:https://www.sysproduct.com/ |
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●支援で一番気を使ったこと |
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林電化工業㈱のデジタル化支援では、クライアントが自らシステムを維持管理できる体制の構築を重視しました。特に、シンプルな集計ロジックの開発を行い、複雑な業務をわかりやすく整理することに注力しました。これにより、クライアントがシステムをストレスなく運用し、業務効率を向上できるよう支援しました。 |
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●施策実現のポイント(支援において配慮したこと) |
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プロジェクト成功の鍵は、林電化工業㈱との密なコミュニケーションでした。特に、社長や担当者の安東さんとの関係が良好で、率直な意見交換ができたことで、柔軟な調整が可能となりました。 |
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●ベンダーとしての施策実現プロセス |
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BI導入のプロジェクトは、データ受領からシステム導入の合意まで段階的に進められました。社長へのデモを実施し、フィードバックをもとにサンプルを作成。その結果、「イメージ通り」との評価を得て、最終的な合意に至りました。これにより、プロジェクトが着実に前進しました。 |
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●ベンダー視点での取り組み企業の成功ポイント |
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BIとRPAの連携による業務効率化が、DX推進の成功要因でした。作業時間の短縮と属人化の解消を目標に、自動でデータ連携が可能なシステムを構築。特に、担当者の安東さんが業務全体を理解し、社内調整を積極的に行ったことが、スムーズな進行に大きく貢献しました。 |
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●これからDXに取り組む企業へのアドバイス |
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成功の鍵は、「やってみる」という挑戦の姿勢です。林電化工業㈱はBIの知識がほとんどない状態からスタートしましたが、実行を決断したことで成果を上げました。外部の専門家の知見を活用しながら、小さなチャレンジを積み重ねることが重要です。また、「作業時間の短縮」「属人化の解消」といった具体的な目標を設定し、組織全体で共有することが、DXを成功に導くポイントです。 |
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■まとめ - 伴走支援で実現するDX
★ 本事例のポイント
- 適切なITツールを選定し、スモールスタートで導入
- 企業のDX担当者が成長し、運用を継続できる環境を構築
- SEOの伴走支援により、スムーズな導入が可能に
★ これからDXを検討する企業へ
- DXを進めるには、「何を解決したいのか」を明確にすることが重要
- 初めから大規模なシステムを導入せず、小さく始めることで成功確率が高まる
- SEOの伴走支援を活用すれば、専門家と共に最適なDXを進められる